いつも、あたふた。
次男ムーンは、気遣いやさんの中学2年生。本当に、いろんなことを心配してくれる。
自分の身の回りには無頓着で、やりかけて忘れたことが、部屋中にばらまかれているが。まあ、それは仕方ない。
次男ムーンの習い事で、夜ご飯が遅くなった。
末っ子ライト5年生は、小さい頃からお兄ちゃんと夜寝てくれてたが。4年生の冬に、学校へ行き渋るようになってから。母さんと寝て、寝る前に、母さんと話をする時間を作ることで、スムーズに学校へ行けるようになった。
もう、高学年なので、別の形で時間を作らなくてはいけないと思いつつ。日々の時間の中では、兄に負ける傾向があるらしい。末っ子も、気を遣うのだ。
そんなわけで、夜、少し遅くなって。あわてて、チャチャッと、夕飯のテーブルだけ片付けて。さぁ寝るよって、声かけると。ライト、ゲームしてて。
ちょっと、待って。
はあっ!?ゲームは、8時半で終わりでしょう!!
約束の時間過ぎてるのに、ゲームをしてたことに、母、激怒。ゲームは、すぐにはやめれない。そんなことは、分かっている。分かっているからこその、8時半で終了して、少し猶予期間を設けてるのに。遥かに過ぎて開始してたら、怒らないわけにいかない。
知ってるけど、でも、今は、ちょっと待って。
待てない、先に寝るね!!
じゃあいい!!僕、ここで寝る。
去る母と、リビングで拗ねる弟。間に挟まる、次男ムーン。
ねえ、今日はボクと寝ようか?そこで寝ると、寒いから、風邪をひくよ。
心配してくれる、ムーンの声が聞こえるけど。自閉傾向ありの、ライトは、テコでも動かないだろう。
夜中に帰ってくる、父ちゃんに踏まれるよ。びっくりするよ。怒られるよ。一緒に寝ようよ。
いろいろ、説得してくれる声は聞こえるが。動かないだろうなぁ。諦めて、自分の寝る部屋へ入る様子。
少し時間をおいて、リビングへ行くと。入口の戸に、張り紙があった。ムーンの下手くそな字で、父さんへのメッセージ。
とうちゃんへ。ライトが寝てるから、ふまないように、きをつけて。
必死で考えた、ムーンの気遣い。本当に、心配をかけてしまった。
リビングへ入って、ライトに声をかける。怒ったことには、一切触れず。
ライト、寝るよ。行こう。
ライト、すっと起きて、トットと寝る部屋へ先に入って行った。まだ、怒ってるようで。母ちゃんも入れて、と、布団を引っ張る。しばらく引っ張り合って、じゃれてから、寝た。
二男ムーンは、いつも間に入って、いい仕事をしてくれる。当たり前みたいに。だからこそ、忘れがちだけど。忘れちゃいけない。
ムーン、昨日はライトの心配をしてくれて、ありがとう。あの後、呼びに行って、母ちゃんと一緒に寝たからね。
朝、声をかけると。
よかった。
との一言。
いつも、あたふた。心配してくれるムーンに、感謝。