関節が痛むようになってから、
子どもと、勝負事をしなくなった。
いつの間にか、かけっこをしても、
長男に勝てなくなっていたけど。
最後に、長男と腕相撲をしたのは、
いったい、いつだったか。
まだ、小学生で。6年生か、5年生。
まだ、母さんには力があった。
負けは、しなかった。
勝てそうで、まだ勝てなくて。
悔しそうな顔。
いつか、勝てるようになったとき。
どんな顔を、しただろうか。
ある日、父さんと長男が、腕相撲をしていた。
どうしても、父さんに勝てない長男。
楽しそうな、様子に。
母さんも、参加したくなった。
勝負
母さんが、右腕をテーブルに乗せると。
えっ、て、ビックリしながら。
本当に???
長男が、右腕を乗せる。
長男ハート。中学二年生。
ready go
……
瞬殺だった。
右手に、全く力が入らず。
勝負にもならない。
それを見た、次男に三男。
すぐに、食いついてくる。
僕も、僕も。
母ちゃん、勝負!!
そしてまた、瞬殺。
勝てるわけがない。
小学5年生と、3年生。
この頃の長男には、余裕で勝ってたのに。
手応えのない、母さんを。
面白がる、子どもたち。
仕方がない、現実を受け入れよう。
腕相撲は、もう無理。
力ずくで、子ども達を動かすのは、無理。
子どもと、向き合うことは続けるけど。
力勝負はしない。
言葉で、とことん、付き合う。
負ける気は、しない。
子どもを動かすのは、
決して、力ではないのだから。
でも、もう、本当に。
腕相撲、子どもに僅差で負ける瞬間。
楽しみにしてたけど。
瞬殺で、勝負にならずに終わるとは。
病気は、したくないものです。