試合に、行きたくない。
長男ハート、中学2年生、サッカー部。
サッカーの試合に行きたくない。
もともと、目立たぬよう、人の後ろで、
真似をしながら、ひっそり生きてる子だ。
広いフィールドを、自分の役目を考えながら、
試合の緊張感のなか、動くことが苦手だ。
慣れてない、場所とか、空気とかも、駄目だ。
顧問の先生との、相性もよくない。
意味が分からないうちに、頭から怒鳴られる。
と、何を言われてるのか。
萎縮して、何も入って来なくなる。
とりあえず、大人しく頷くばかり。
試合には、負けてばかりで。
誉められることも、ないのだろう。
試合の前日、仕事から帰ると。
ハートがいない。と、思ったら寝ていた。
本当に、体調が悪いんだからね。
頭は痛いし、お腹も痛いし。
でも、明日、休まないよ。
調子悪いけど、行くんだからね。
学校に行きたくない時と、同じ状況だ。
これが、進むと、本当に熱を出す。
そんなわけで、試合の道中は、
友達との、乗り合わせが出来ない。
試合の日は、必ず仕事を休んで送迎する。
車のなかで、グダグダと喋りながら。
気持ちを整え、試合へ向かう。
そして、終われば。
1人、ほっと、車の中で、素に戻り。
また、グダグダと喋る。
気を、遣うのが嫌なのだとか。
本当は、保護者同士の助け合い。
お互い行けない時があるので。
乗せたり、乗せてもらったり。
それが絶対、楽なのだけど。
神経質な長男が、拒否するから仕方ない。
ただでさえ、苦手意識のある試合。
車の中のリラックスタイムを、
奪えば、行けなくなってしまう。
試合に場馴れしてくれば、
リラックスタイムも、
短くて済むかもしれない。
でもそれも、試合に出なくなれば、
望めなくなる。
だから今は、我が儘とも思える願いに沿って。
見守っている。