末っ子ライト、1年生は、甘えん坊。
いつも、抱っこしてと、まとわりつく。
母ちゃんが駄目なら、父ちゃん、父ちゃんが駄目なら、兄ちゃん。でも、母ちゃんなら、やっぱり、ワガママ言ってでも甘える。
児童館へ迎えに行くと、
僕ねえ、がんばったから、つかれたんだよ。歩けないから、抱っこして。
当然のように、抱っこを要求した。
赤ちゃんみたいよ、と、友達に言われても、知らん顔だった。
それは母さんが、関節痛を、患っても、変わらなかった。
関節痛といっても、歩けないほどではなく。ちょっと、我慢すればと思って、多少の距離なら、抱っこしていた。
ところがある日、腰を痛めた。何とか歩けるけど、痛い。
児童館に迎えに行くと、当然のように飛び付いてくるライト。何とか、抱き上げたけど、それが、限界。
ごめん、ライト。今日は、腰が痛くて、抱っこして歩けないよ。降りてくれる?
きっと、駄々をこねるよなと、思っていたけど。
あっさりと、おりてくれた。
歩き始めるライト。
いつの間に、成長していたんだ?
何を言っても、グズグズ言って聞かなかったのは、つい、この前なのに。
痛そうなのが、スッと、理解できて。自分で歩き始めた。
この日以降、全くグズグズ言わなくなった。腰が治ってからも。今日は仕事で疲れて、少し痛いんだ、と言うと、自分で歩いてくれる。
少し、寂しいけれど。これが、成長なのだろう。抱っこが恥ずかしいから、じゃなくて、母さんが痛そうだからって、言うのが、少し、嬉しい。
まだ、抱っこが好きな甘えん坊だけど。
歩くことも頑張る、甘えん坊だ。