末っ子ライト、今、不安定。
運動会の練習が始まり、
学校へ、行きたくない。
負けず嫌いなのに、足が遅いし、
ダンスは体が、手足がバラバラで難しい。
そんなとき、尿検査があった。
朝取って、入れ物に入れ、準備完了。
学校へ行きたくない!!
絶対行かない!!
学校やめる!!
一通り、叫んでから、車に乗る。
車の中でも、叫んで、泣いて。
でも、着いたら。
深呼吸して、覚悟を決めて。
待ってね、行くから。待ってね。
ドアを開けて。
走って行きました。
児童館へ、迎えに行くと。
母ちゃん、おしっこ、袋になかっよ。
袋、ペタンコだった。
だから僕、行きたくなかったんだよ。
えぇっ?!!
また朝、バタバタと取るの。
その前に、尿の容器が、家に落ちてる? 探さなきゃ、見つけなきゃ。踏まないで。
と、家に帰ってから。
大騒ぎで、探してると。
ぼそぼそと、シドロモドロに話し出す。
紙袋はね、ぺたんこだったの。
多分、僕は、ぺたんこだと思ったの。
でもね、いちおう、念のため?
ぺたんこだと思う紙だけね、出したよ。
嘘だよね、
嘘だったんだよね、
嘘をついたんだね、これは。
学校に直接確認さえすれば、
すぐにバレちゃうような、嘘。
体の力が抜けるとともに、
自分に関心を向けてほしい気持ちが、
じわじわと伝わってくるようで。
何だこの、かわいい生き物は!!
と、思ってしまった。
そっかぁ、じゃあちゃんと、
学校へは出せたんだね。
分かんないんだよ、本当に。
ペタンコだと、思ったんだよ。
頭を、よしよしとなでました。
家の中に、転がってないなら、良かった。
どんな対応がいいかなんて、
本当のところは、分かりませんが。
この、最高に可愛いかまってちゃんを。
叱ることは、できませんでした。