末っ子ライト、小学4年生。
通学班は、4人。
向かいの家の同級生と、
道の途中で合流する、兄弟二人。
向かいの同級生はのんびり屋、
マイペースで、時間に対する意識が薄い。
ライトは、時間を気にして、
遅れることを、極端に嫌がる。
4年生になって、
朝の準備が上手になり、
決まった時間に家を出れるようになった。
でも、同級生が遅くて、
一緒に行けることがほとんどなかったり、
合流する兄弟が、待つことが苦手で、
うまく合流できなかったりで、
一人で行くことを嫌がり、
歩いて送る日が、多かった。
ごくたまに、
今日はひとりで行くからいいよ、
と、宣言する日が、あったけど。
すぐ、逆戻り。
ところが、だ。
ある日突然だった。
母ちゃん、もう大丈夫だよ。
そう言って、一人でも、行き始めた。
すごいっ、成長するものだね。
感動していた、そんなある朝。
自分の用意したところに、靴下がない!!
もう学校に行かない!!
どんなに、なだめても。
かたくなに、行かないと言い張る。
仕方がないので、母も腹を括った。
行かないならそれで、いいようにしよう。
ぼく、行かないよ。
--そう、行かないんだね。
行きたくないよ。
--行きたくないんだね。
学校に、行かないよ。
--学校に、行かないんだね。
そんな会話を、何度も繰り返すと。
もう。行け、言うんじゃね!!
行くよ!!
と。叫んで。
走って家を、出て行った。
後ろ姿を見送っても、
振り返りもしないで、怒って行った。
大きくなったものです。
一人で歩いて、学校に行けるようになった。
成長に、拍手!!
それでも、元に戻って、
甘える日もあるかもしれない。
それでも、もう大丈夫。
歩いて学校に行く。
たったそれだけのことでも。
長く時間がかかったものです。