ADHD3兄弟と関節痛母さんの日記

長男17歳、次男中学3年生、末っ子6年生との毎日の記録です。

ランドセル事件

家から小学校まで、歩いて10分かからないくらい。近いといえば、近いけど。歩くのは、ちょっと、めんどくさい距離?


天気もいいし、車のガソリンが、残り少なくて。まぁ、歩いて行くか、と。末っ子ライト、小学5年生。児童館へのお迎えを、歩いて行った。


それが、間違ってたんだよ、と、末っ子ライトは、言う。


歩きたくない。ランドセル持ちたくない。文句ばっかり。末っ子ライト。ランドセル持ってよ。


そういえば、低学年の頃。歩いて登校班で下校するときは、しょっちゅう。ランドセルを、お兄ちゃんに持ってもらっていた。僕疲れて歩けないよ、と、駄々をこねて。


だから、ライトの言葉を無視して。学校を出てすぐにある、歩道橋の上で座り込む、ライトをおいて先に行った。


しばらくして、軽やかな足音が、後ろから追いかけてきた。


母ちゃん、先に帰るね。


そう言って追い越していく、ライトの背中に、ランドセルは。


ないっ!!


置いて行ったら、母さんが取りに行ってくれる、と、高を括っているのだ。腹が立つ。


だから、母さんは、引き返し。ランドセルを持つと、学校へ向かった。


学校で、先生に事情を話し、ランドセルを学校で預かってもらうことにした。近所の人が見つけて、学校へ届けてくれたことにしてもらい、母さんは、素知らぬ顔で家に帰った。


ライト、ランドセルなかったよ?


ウソ?だって僕、歩道橋の上の隅っこに、ちゃんと置いたよ?見てくれた?本当になかった?


なかったよ。


見に行ってくる!!


ライト、家を飛び出して、探しに行った。でも、ないことを知ってる母ちゃんは、ライトが一人で泣くことにならないか、心配。でも、突き放した母ちゃんが行って、甘やかす訳にはいかない。


そこで、中2の次男ムーンに頼んだ。事情は話さず、ライトがランドセルを探しに行ってることだけを伝えて、自転車で様子を見に行ってもらった。


しばらくして、ライトが走って帰ってきた。


母ちゃん、ランドセルがない。探してもない。どうしよう?


困ったねぇ、どうしようか。


もう僕、明日から学校へ行かない!!


自転車で、後から帰って来たムーンが、ふと、言った。


もしかしたら、学校へ届いてるかもしれないよ。一緒に行ってみようよ。


でも、ショックで落ち込みすぎているライトは、動くことができない。


母さんは、かわいそうに思っても、突き放した以上は、ここで、甘い顔はできない。


じゃあ、僕が行ってみてあげるよ。


優しいムーンは、落ち込んでるライトのかわりに、学校に行ってくれた。そして、地域の人が見つけて、学校に届けてくれたランドセルを、持って帰ってくれた。


ムーンは、久しぶりに小学校の先生と話せて、ごきげんだった。


ライトは、ムーンに感謝して、自分のおやつを、ムーンにあげていた。


この度は、学校を巻き込んでの親子喧嘩になってしまったが、次男のムーンがうまく間に入ってくれて、まるくおさまることができた。本当に良かった。


ムーンに感謝の、ランドセル事件だった。