桜が終わる前に。
と、もう一度、見に行った。
仕事が終わってから。
長男ハートは、一度行ったから、
もういいや、と。家で留守番。
ムーンと、ライト。父さんと母さん。
ちょうど、帰る時間で。
空いたところに、車を停めた。
父さんは、お疲れなので。
車で留守番。
前回いなかった、末っ子ライト。
1番に車を降りて、走った。
目的は、桜ではない。
公園にある、大型遊具。
滑り台や、アスレチック。
どんどん、走って行って、
1人、遊び始める。
次男、ムーン。
4月から、中学生になる。
小さな子どもたちが遊ぶ、
遊具には、全く近寄らない。
そういえば最近、遊具のある場所より、
広い広場で、遊ぶことの方が多い。
遊具のある場所は、選ばなくなった。
いつのまにか。
だからか、末っ子ライト。
久しぶりに、嬉しそう。
兄ちゃんも、おいでよ。
誘う。
でも、ムーン、誘いに乗らない。
遊んでやれば?
でも、ちょうど、
恥ずかしい時期らしい。
もう少し、大きくなれば。
もう少し、年が離れていれば。
仕方ないなぁ、と、遊べるのだろうけど。
微妙な時期で、眺めてるだけ。
桜は、満開で、とってもきれい。
天気がよくて、日も長くなった。
暗くなるまで、遊び回った。
ちょっと前まで、ライトとムーン。
仲良く二人で、走り回ってたのに。
ライトは、1人でも、賑やかだ。
ムーンは、突っ立ってる。
もう、子どもじゃないんだね。
大人へ、近づこうとしてる。
帰るとき、ライトが駄々をこねる。
ムーンはもう、駄々もこねない。
二人で、グズグズ言っていた。
そんな日は、遠い昔。
ムーンと二人、
知らん顔で置いて帰ると。
遠く離れて、やっとついてきた。
末っ子ライト。
ねぇ、帰るから、何か買って。
こそっと、追い付いて。
おねだりも、上手。
自販機で、ジュースを買った。
わがままな子どもは、1人。
最後の1人と思うと、甘やかしてしまう。
中学生の、わがままは。
ひと味違う。
大人に近づき、変わってくる。
そういうもんだけど。
さみしいから。
ちょっと年齢より幼い。
ライトに救われる。
でも、そんなライトも。
少しずつ、成長する。
でも今は、子どもでいい。
そう思ってしまうから。
末っ子は、末っ子なのだ。