長男ハート、中学二年生。
オープンスクールで、授業参観があった。
見てもいいけど、たぶん寝てるよ。
と、言ってたけど。
うん、確かに。
さすがに、参観中。
寝てはなかったけど、死んだ目をしていた。
心は、ここにない。
それが、土曜日。
そして、月曜日。振り替え休日。
ハート、1人でのんびり、家にいて。
静かな、いい、1日をすごせたらしい。
仕事から、帰って。
おやつを用意。
クッキーは、17枚。
家族は5人。
3枚ずつ分けたら、2枚余る。
3枚余るときは、子どもに。
2枚余るときは、大人に。余分を配る。
そうしてたけど。
まだ、父さんが帰ってなかったから、
父さんを2枚にして、
子どもを4枚ずつにしてみた。
さぁ、早く。
父さんが帰る前に、食べちゃうよ。
小3ライト、小6ムーンが食べ終わった頃、
ハートがのっそりと、部屋から出てきた。
もう、遅いから。
母さんが、4枚食べようかと思ったよ。
欲しいと言ったのではない。
遅いと、文句を言っただけだ。
だけど、ハート。
さりげなく、いやみなく、さらりと。
うん、いいよ。あげるよ。
クッキー、1枚、譲ってくれた。
思わず、ドキリとしてしまった。
男前だ。
うん、じゃあ、お父さんにあげるか。
と言って、父さんに残したクッキーと
一緒にすると。
さらりと、机の上のクッキーを見て。
ああ、そうか。
と、一言、納得して。
自分のクッキーを持ち、
自分のテリトリーに帰って行った。
反抗期、真っ盛りのくせに。
今朝だって、蹴ったくせに。
ふと、見せる優しさ。
その、ギャップに、ドキリ。
我が子ながら。
いい男に、成長しそうだなぁ。
将来が楽しみだ。