2日前に、長男ハート6年生と、父さんが喧嘩した。
いつもなら、父さんが怒りすぎたと、すぐに謝るか、ハートと話をして謝らせるかで、すぐに解決するけど。今回は長引いた。
ハートは、保育園に通う前から、ADHDといわれていた。父さんは、頭ごなしに怒られて育てられた人で、子どもにも、まず怒鳴って言うことをきかせるタイプだ。繊細なハートは、すぐにパニックになり、怒られることをさらにしてしまい、さらに怒られて収集がつかなくなるのが常だった。それを、少しずつ母さんが説得して、少しずつ、冷静に、子どもにも言い聞かせることを、父さんは、受け入れてくれていた。
それが、珍しく父さんがキレて、ぶちのめしたらしい。
理由は、ハートが小学1年生の時にさかのぼる。1年生の春、ハートはおたふく風邪にかかり、ムンプス難聴で左の耳がまったく聞こえなくなった。
そのハートが、弟と喧嘩をして、父さんに注意され、耳聞こえてないのか、ということをつぶやいたらしい。
耳の聞こえについて、文句言うことは、我が家では禁止している。ハートの左耳が実際に聞こえてないから、冗談でも笑えない。
ハートが最近、怒りが抑えられなくなったとき、弟や母さんに向けて、聞こえとるんか、とか、言っていたのは知っていた。でも、怒っているときは、聞く耳ではないので、あえて指摘しなかった。いつか言い聞かせなくてはと、思いつつ。なかなか機会がなく、ずるずるときて。父さんとぶつかってしまった。
ハートは、2階の自分の部屋に閉じ籠った。夕飯にも、おりてこなかった。父さんと弟が風呂に入っている間に、ご飯を食べた。父さんが寝てから、風呂に入った。次の日、父さんが出てから、起きてきた。元気に遊んで、父さんが帰ってくると、再び閉じ籠った。夕飯に降りてこなかったが、半分くらい食べた頃、父さんに呼ばれて、降りてきた。夕飯を食べたけど、口はきかなかった。次の日も、父さんが出たことを確認して、起きてきた。
今日、仕事から帰ってきた父さんは、ハートを呼んだ。手伝えと、ハートを連れて出た。二人が何を話したのか話さなかったのか、わからない。
わからないけど、やっと日常が戻ってきた。
ハートの日常の中で、聞こえてないのかとか、分かってるのかと同じように、よく飛び交う言葉なんだと思う。そうだよね、普通はそうなんだよね。意識しないのが、普通だよね。そんな言葉が、胸に刺さっているから、傷つける言葉として、口から出てしまうんだよね。
でもね、ハート。家では、ハートが大切だから。聞こえについて、バカにしたり、文句言ったりはなしにするよ。それは。へんに意識をして触れないというのでなく。相手の存在を大切にするということだと思うよ。ハートがそうしなくても、母さんと父さんは、そうあろうと、努力するからね。