次男ムーンは、昔から、親にとって都合のいい子だった。兄ちゃんがパニックの時、動かず、じっとしていて、困らせることはほぼ、なかった。今思えば、固まって動けなかっただけかもしれないが。ムーンのことまで、思う余裕はなかった。
ムーン3歳、ハート5歳の冬。ハートは保育所に行きたくなくて、毎朝、あの手この手で逃げていた。
ある日、ハートとムーンを無事車にのせ、うっかり車の鍵を車に乗せたまま、車を離れて他の準備をした。
戻ると、ハートは、車の中から、鍵をかけていた。保育所に行きたくないから、当然、開けてくれない。
エンジンは、冬だから、多分かけていたと思う。そして、中にいるのは、5歳と3歳だ。
どんなに、何を言っても、開けてくれるはずもなく。時間だけが過ぎていく。
職場に、遅刻すると連絡入れて。保育所に、遅れて行くと連絡入れて。父さんに電話を入れて、仕事を抜けて、帰ってもらった。父さんが、スペアキーを持っている。
でも、スペアキーを使う前に。父さんが帰ってくる。で、車のドアが開いた。
早く保育所に行こう!!
でも、途中何かあってはいけないので、父さんを待って、二人で保育所へ行った。
当時、未満児のムーンが、同じ保育所に入れず、別々の保育所に通っていた。
まず、ハートを送って行った。
次に、ムーンを送って行った。
ちょうど間が悪く、ムーンの保育所は、月数回の体験保育の日だった。時間が遅くなったので、体験保育がもう、始まっている。保育所に入っていない子達が、お母さんと一緒に来ている。
お母さんと一緒にいる子を見て。
帰っていくお父さんとお母さんを見て。
次男ムーン、大号泣
次男ムーンは、頑張りやさんで、保育所に行くとき、駄々をこねたことがない。始めの1ヶ月くらい、泣いたが。後は、にこにこと、バイバイできる子だった。
この時は、本当に、かわいそうなことをしたと思う。